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キャサリン・ライリー

キャサリン・ライリーは、テリー・ギリアム監督「12モンキース」の登場人物名で、
僕がかつて、名乗っていた名前だったりする。
と言っても僕が昔外国人だったわけではなくて、映画を一緒につくっていた友達との
ユニット名にこの名前をお借りしたのだ。僕たちはテリー・ギリアムが好きだったから。


「12モンキース」はタイムトラベラーの話だ。
2035年人類の99%が細菌兵器によって死滅し、生き残った1%の人類は
汚染された地上から隔絶された地下に都市を建造して住んでいた。
主人公のコールはワクチンを作るためにウィルスのルーツを探ることが任務だ。
しかしタイムマシンの手違いで、1996年に行くはずが1990年に行ってしまい
そこでコールは精神科医のライリーに出会う。

一度未来に戻って1996年の世界にやってきたコールと、ライリーは再会する。
ウィルスを散布したとされる「12モンキース」と名乗る団体を突き止める。
12モンキースのリーダーは1990年の世界の精神病棟で出会った男で、
細菌散布はコールの話から思いついたのだと打ち明けられ、コールは混乱する。
コールは、タイムトラベルを繰り返すうちに現実と妄想の区別が付かなくなり、
逆にライリーは、徐々にコールが未来から来たことを信じるようになる。


ブルース・ウィルス主演なので観たことのある方もいると思うけれど
ブラッド・ピットがノーギャラでの出演を申し出たことが話題になったそうだ。
相方がこの映画が好きで、僕は「未来世紀ブラジル」が好きだったことが
僕たちが一緒に映画を作るきっかけの一つだった。
すごく好きだけれど、ギリアム監督の作品は観たものの心に引掻き傷を残すのだ。
結末に残酷なカラクリが用意されていて、だから観たいけれど怖い気持ちもある。
未来世紀ブラジルのラストは、恋人と田舎に逃げるというハッピーエンドに涙を流した途端、
それが全て現実に絶望した主人公の妄想だったという幕切れに、
呆然とさせられ涙を一瞬にして止められてしまう。
12モンキースの場合は主人公の繰り返し見る夢が悲劇を暗示している。


「澄み切った大空と青い海、地上に出て彼女と結ばれる。それが望みだろう、ボブ?」
時空を超えた恋は悲しい、タイムトラベラーは決して未来を変えることが出来ない。
それでも二人は、人類が滅亡するという未来を止めようとする。
もしそれが出来たとしても、未来から来た人間は過去に留まることはできない。
でも今、目の前にその人がいて、触れることができて・・・
「俺は怖い・・・」と言うコールをキャサリンは抱き締める。
もし自分だったら、人類すべての幸せよりも好きな人の幸せを願ってしまうかもしれない。
自分が未来を変えられるかもしれないと、その為にすべてを投げ売ってきたとしても、
澄み切った大空と青い海を、見せてあげたいと望んでしまうかもしれない。

もし、二度と会えなかったとしても。
僕は此処にいる、きみは其処にいる。ただそれだけの違いだから。
未来を変える力を持っているなら、もしそれが出来るなら、僕はきみの幸せを願う。
そう自分の心の声を聞いたあと、僕はああそうなんだ、と理解する。
コールはきっと、僕と同じことを考えていただろうな、と。
例え自分の命を失ったとしても、キャサリンのいる「今」を、この世界を守ろうとしたのだ。
だから僕は、キャサリンではなくジェームス・コールを名乗るほうが良かったな、
なんてことを今更ながらに思ったりしたのだ。
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